やけど・日焼け


やけど

やけどは医学専門用語として「熱傷」とよばれ、熱による皮膚や粘膜の外傷を言います。
高い温度の物質が皮膚に一定時間以上接するとやけどとなります。もちろん炎や爆発・熱湯などの高温でもやけどになりますが、40~55度くらいのそれほど高い温度ではないものでもやけどになることがあります。
やけどをすると直後から赤み(発赤)や腫れ(腫脹)が出てきますが、その後は状態により異なります。
やけどはダメージの深さにより1度から3度まで分類されます。

  • 1度熱傷:皮膚が赤くなるだけで水疱はできません。痕が残ることはありません。
  • 2度熱傷:水疱や潰瘍を形成します。浅いものであれば色素沈着、深いものであれば傷跡が残ります。
  • 3度熱傷:皮膚の大部分が壊死します。治療には皮膚移植などを必要とします。

細菌感染を合併したり、糖尿病など基礎疾患があるとやけどの深さが深くなり、治癒するまでに時間がかかり傷跡が残りやすくなります。
やけどの応急手当としてはすぐに冷やす(やけどした部位を冷却する)ことが最も大切です。熱湯や油のやけどでも水道水でかまいませんので冷やすことがとても大切です。冷やすことでやけどの進行を止め、痛みも押さえることができます。アイスノンなどがある場合は冷却しながら、できるだけ早く皮膚科の診察を受けてください。

やけどの治療

内服・外用療法

やけどの深さや広さにより治療法が異なります。
1度熱傷の浅い場合は、ステロイド外用剤などを塗布し数日で治癒していくことが多いです。
2度熱傷になると、水疱や潰瘍を形成するため、ステロイド外用剤や感染予防・潰瘍を修復する軟膏などを塗布します。状態により数日、深かったり広範囲の場合は1~2週間程度通院して頂き、治癒までには1ヶ月以上かかることもあります。
3度熱傷の場合は、入院や皮膚移植などの外科的治療が必要となりますので、大きい病院に紹介をさせて頂きます。
やけどの痕が残らないように、ビタミンCなどの内服をしたり、治癒後にヒルドイドなどの保湿剤を外用することがあります。

料金

症状により処方する薬や処置が異なりますので、診察時に医師にご確認ください。

低温熱傷

湯たんぽやカイロなどを体に接触させたまま寝てしまうことで受傷します。50度程度のものでも数時間で低温熱傷が発症します。
受傷直後は痛みがなく、数日後に気付くケースが多くみられます。皮膚の深い層がダメージを受けているため、壊死組織を除去するなどの治療が必要になり、治癒にはかなり時間がかかる場合も少なくありません。

低温熱傷の治療

内服・外用療法

水疱ができた場合は、水疱をつぶさないように、ステロイド外用剤を塗ってください。1~2週間で水疱は乾いて剥がれます。
その後はヒルドイドなどの保湿剤に切り替えてください。
できるだけやけどの痕が残らないように、ビタミンCなどの内服をすることがあります。

経過

低温やけどはダメージが深いため、治癒にはかなりの時間がかかります(数週~数ヶ月)。
皮膚の組織が壊死している場合は、局所麻酔のもとで壊死組織を除去する必要があります。
治癒してもやけどの痕が残る場合が多くみられます。

料金

症状により処方する薬や処置が異なりますので、診察時に医師にご確認ください。

日焼け

強い紫外線を数時間浴びることにより皮膚に赤みや水疱を形成します。UVBによる表皮の損傷が原因です。
軽いやけどと同様の状態なので、まずはできるだけ冷やしてください。

日焼けの治療

内服・外用療法

受傷後なるべく早くに副腎皮質ステロイドの外用、内服することでダメージを軽減させることができます。

経過

日焼けは表面のやけどです。赤みがある部位にはステロイド外用剤を塗り続ける必要があります。
水疱・痛み・痒みの程度により、ステロイド剤・消炎鎮痛剤・抗アレルギー薬などを内服する場合があります。
赤みが退いた後に、炎症後の色素沈着を起こしやすいので、ビタミンC、ビタミンE、トランサミンなどを服用しましょう。

料金

症状により処方する薬や処置が異なりますので、診察時に医師にご確認ください。